洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

霊感はないんだけど、感じてしまった

ちょっとコワイハナシです。




夫が義弟からの電話で病院へトンボ返りした午後11時、
私は部屋でボーッとしていた。
お義父さん大丈夫だろうか、万が一の時はどうすればよいのだろう、
色々な事が頭の中を駆け巡り、いつもならとっくに夢の中の時間なのだが、
いっこうに眠気は訪れなかった。

ベッドでは、くわちゃん(小5の娘)が軽くいびきをかいて寝ていた。
その時、くわちゃんの呼吸が変わった。

いびきが急に大きくなり、
(アレ、どうしたんだろ、お義父さんみたいないびきだな)
と思ってくわちゃんの顔を眺めていた時だ、
二階から三男が降りてきて、勢いよくドアを開けこう言った。

「今、ダニ兄さんからLainがきた。ハリ爺さんが亡くなったって!」
「inna lillahi wa inna ilaihi rajiun・・・」

イスラム教で、誰かが亡くなったと聞いた時に唱えなければならない言葉を口にした。半分、間違ってたと思うけど。

くわちゃんを見ると、もう普通の寝息に戻っていた。

じゃぁさっき、くわちゃんのいびきが急に大きくなったのは、
義父が乗り移った!?


それからしばらくして夫から電話があり、これからの事を指示され仰天した。

「午前3時半にお父さんを病院から実家に運ぶから、上の子供たち3時に起こして準備しておいて」
3時って、夜中だよ、まだ・・・。
夫は高2と中3の息子たち3人を、救急車に付き添いとして乗せるという。
こういう経験は若いうちから体験させるのが、夫の教育方針なのだ。

インドネシアでは霊柩車は存在しないので、こういう場合は病院の救急車を使う。
ただではない、有料だ。

電話を受けたのが午後11時ちょっと過ぎだったので、子供たちを起こすのにはまだ早い。ここで寝てしまったら、起きれなくなりそうだし、眠れそうな気もしなかったので、洗濯・掃除をすることにした。

翌日というか日付が変われば土曜日だ。
私と残りの子供は、午前5時過ぎに実家に来るようにとの事。
その日は実家に泊まるだろうし、
もしかしたら、その翌日以降、親戚の人がうちに泊まるかもしれない。
掃除洗濯をする時間は今しかない。

フツーは午前3時半に起きてする家事を、少し繰り上げてするだけだ。

家事をやり終えると夜中でも汗だくになった。
さて、ここでシャワーを浴びなくてはならない。

午前2時半にシャワーを使ったことなんてない。
しかも夫はいないし。
でもシャワーを浴びないわけにはいかないほど汗だくだったので、
少々怖かったが、浴室に入った。

うちの浴室の換気扇、普段から回る音が大きめだったのだが、
その時に限り一段と『ゴォォォーー!』と大きく感じた。
こんな時だし、気のせいだと思う事にして服を脱ごうとしたら、
換気扇の回る音に混じって、男の人の声が聞こえたような気がした。

一人のではなくて、複数の男性で、なにか合唱というか、
お経を唱えるような旋律が聞こえたのだ。

ギョッ!!として、すぐに浴室を飛び出た。
うちの部屋続きの浴室なので、くわちゃんの寝顔を見てホッとした。

ん~、なんかコワイけど、シャワーはどうしても浴びなければならないんだよな、
ここは意を決して、再度浴室に入った。
耳を澄ますと、やはり男性コーラスは聞こえてくる・・・。
もうしょうがない、浴室のドアを全開にしてシャワーを浴びた。
部屋の鍵はちゃんと掛けたけど。

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