夜中のマレーシア空港で起きた出来事
前回の続きです。
どうして、飛行機の便を間違えて乗り遅れる、
等と言う失敗をやらかしてしまったのかと言うと、
チケットをちゃんと確認しなかったというのが一番の理由です。
当日は、千歳~マレーシア~スラバヤ経由だったのですが、
朝9:20千歳発の飛行機だったので、
午前3時半に起きていろいろ準備とかしてたのですよ。
まだ暗いうちに汽車に乗り込み、飛行機内でも、
それを飲むと物凄く眠たくなるというインドネシア製の乗り物酔い薬をわざと
飲んだりして、ほどよく眠ったりはしたんだけど、
疲れと気の緩みがあったんでしょうねぇ。
7時間の機内滞在を経て、ようやくマレーシアにつき、
あと数時間でインドネシアへ戻れる!
今夜は自分の布団でゆっくり眠れる!
愛しい猫たち(家族じゃないのか!?)に会える!
とワクワクとも違うけど、妙に舞い上がってたのです。
それで、マレーシアに到着し、乗り継ぎの時、電光掲示板みたいな、
各国への出発飛行機の時刻表と搭乗口の番号表示板がありますよね。
それ見て、あ、スラバヤ行は午後6:30分か。
ふむふむ3番搭乗口ね、と頭にインプットしてしまったのです。
実際は、午後6:15分発、11番搭乗口でした。
そんな15分違いで同じスラバヤ行の飛行機があるなんて、
夢にも思ってなかったのです。
というか、その時刻表示板にはちゃんと掲示されてたはずなので、
私の見落としというか、思い込みが過ちの原因です。
ちゃんとその時、チケットを取り出して、
飛行機の便と時間と搭乗口を確認しなかったことが悔やまれてなりません。
そういう理由で飛行機においてかれちゃったのですが、
その後は、もう、ひどく大変でした。
私がその飛行機に乗ってないという事で、私の荷物もマレーシアで
降ろされてしまっていたのですが、まずそれを取りに行けと言われました。
荷物を受け取るのに、イミグレを通って一旦マレーシアに入国しました。
といっても、空港からは一歩も出てませんが。
荷物がちゃんと揃って私を待っててくれたのには、なぜか感動しました。
先にスラバヤへ帰っちゃったかと思ってたので。
それから、チケットの再購入です。
いくつもあるサービスカウンターの何番だかに行けと言われて、
広い空港内を歩き回り、もうクタクタ。
そのカウンターに着くと、受け付けの人は一人なのに
待ってるお客さんが大勢いでゲンナリです。
やっと私の番になり、スラバヤ行の飛行機チケットを購入しようとしたんですが、
そこで、今日のスラバヤ行はもうないと言われて、ガーーーーん!!
その時、午後7:30くらいでしたかね。
明日ぁ!?明日までないのぉ!?空港で一晩過ごすわけぇ!?
そこでごねてもないものはないので、仕方なく明日の飛行機チケットを購入しようとしたんですが、
その時、ハッと気づきましたよ。
私、日本円しか持ってない。
カードとかもない。
円、使えるんだろか!?
ひどく不安になりました。
サービスカウンターの人に訊くと、円は使えないと言います。
ですが、まだ両替所が開いているので、そこで両替してきて、と言われ、ほっ。
また一から並び直さなければならないくらいは、たいしたことではありません。
これから明日の出発まで、たっぷりと時間だけはあるのですから。
円をリンギットに両替して、ふたたび並び、やっと明日のスラバヤ行のチケットをゲットできました。
できれば早朝のと思ったのですが、甘かった。
空いていたのは昼過ぎの便でした。
その時点で午後8時過ぎ。
これから、空港で15時間以上も一人で過ごさなければならないのか。
腰が痛くなりそうだ~、と思いましたが、マレーシア~スラバヤ行の飛行機チケット一万円以下だったので、少しホッ。
もうね、いくらかかるんだと内心気が気じゃありませんでしたよ。
チケットの購入を終え、後は何もすることがない。
マレーシアの空港から出て観光をするとか、
ホテルに泊まるとかいう発想は一切なし。
もう、ただただじっと空港で明日の出発を待つと決め、
カフェ等が並んだわりと明るめの場所の待合椅子を陣取り、うつらうつらしたり、
本を読んだりして時間が過ぎるのを待っていました。
幸いカフェも24時間営業だったし、人も多かったので、
怖いとか寂しいとかはありませんでしたね。
ずっと椅子に座っていて、オシリが痛くなってきた頃、
時刻は午前2時。
なんとなく目を開けてボーーーッとしてたんですが、
そこへマレーシアの警察官だと思うのですが、ベレー帽をかぶって腰に警棒だか拳銃をぶらさげた二人組が、やってきました。
いかつい体つきで、顔も強面。
ヒエッ、マレーシアの警察官はこえーなぁ、ってみていたら、
こっち近づいてくるじゃないですか。
最初、窓辺を陣取って床に直接寝ている中国人のオッサングループがいたので、
それを注意しに来たと思ったんです。
そしたら、その警官、私の方指さして、
「ユー!ユー!」って言うじゃないですか!
思わず後ろ振り返りましたよ。
指さされてるのは、後ろの人かな、って。
そしたら、私の後ろ誰もいなくって、
え!?私ぃ!?
と、自分を指さして警察官を見たら、
頷きながら、
「ユー!ユー!」って言うんです。
もう、心臓がどきどきバクバクでした。
いや、なにもやましい事はないですがね、
外国で厳しい顔つきの警察に職務質問を受けるなんてね、
初めての事で、
いったい私ナニ人に見えたのだろう。
一人で空港で夜中にかけて何時間も同じ場所に座ってる怪しい女、
テロリストかなんかだと思われた?
金正男が暗殺された空港でもあるしね、
と、いろいろと考えながら、警察官の側へ行きました。
周りの人はみんなこっち見てるしねー、なんか犯罪者になった気分だったよ。
そこで、「パスポート!」
と言われたので、パスポートを出して見せました。
いやいやいや、噂に聞いてはいましたが、日本のパスポートの威力はすごいですね。
まさに、黄門様の印籠のような威力を発揮したのには、ビックリしました。
私のパスポートが日本のものだとわかったとたん、警察官の表情がガラリと変わりました。
ニコッ。
え、ニコッって...。
「あー、日本人ですかぁ!」
と顔をほころばせて、急にフレンドリーに豹変したのです。
「なんでここにいるんですか?」
という質問はされましたが、
「飛行機に乗り遅れて、明日の飛行機を待ってるんです」
と説明すると、
「そうですか、そうですか」
と、ニコニコしながら去っていきました。
あー、飛行機に乗り遅れたのも焦ったけど、
この真夜中の職務質問もかなり焦りましたぁ。