洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

電話

いつもたいてい一ヶ月に一度は、日本の実家の母から電話がある。

しかしここ二・三ヶ月、全然音沙汰が無かった。

電話代をケチって私からはめったにかけないのだか、あまりの静けさに不安を感じ私の方からかけてみた。


トゥルルルル・・・・トゥルルルル・・・・カチャッ。


「もしもし」と太い声。

父が出た。たいてい母が電話を取るので嫌な予感。


もしや、母は病気で入院中とか!?

「あ、お父ちゃん、元気?」

「あーどちらさんで」


しばらく声を聞かせてないせいか、はたまた年のせいか、娘の声も忘れてるよ。


「ワタシよ、ワタシ」

「おぁ~まっこかぁ」


父は私を呼ぶとき、誰もそう呼ばないのに‘まっこ’と呼ぶ。本当は『子』がつく名前をつけたかったらしい。


「お母ちゃん、いる?」

ちょっと緊張しながら聞いてみた。


「母ちゃんか・・・・母ちゃんな・・・・・・カラオケ行っとるわ!


「え~カラオケ~!!」


「近所のじぃさんばぁさん連中が集まってな、町内会館でカラオケやってんだわ」


はぁ~そうですか~カラオケですかぁ~。

まずまず元気だったんですね。良かった良かった。


年寄りの二人暮らしなのだが、母はけっこう町内会の行事に参加したり、市主催の温泉旅行なんかに参加しているらしい。


夫の父ほどではないが、こちらも偏屈頑固じじぃの私の父は、人と接するのが好きじゃないらしく一人で居る方を好む。


父とは昔から会話が弾んだためしがなく、電話といっても何を話していいかわからない。

なので、そういう時は天気のハナシに限る。


「今年の夏は暑かったんだってね~。そっちもかなり暑かったの?」

「あ~、暑かった暑かった、猛烈に暑かったなそっちも、異常に暑かったか?」


異常にと言われても、年中暑い国だからねぇ。


「普通に暑かったよ、というか今も暑いよ」

「おぉ、そうか、そうだったな」


次の日

「昨日電話くれたんだって~!」

との母の方から電話がかかってきた。


たいして用事があるわけではないのだけど、弟夫婦がどうしただたの、嫁さんのおとっさんがどうしただのと、たわいのない会話で終了。


便りがないのは元気のしるし、と言いたいところだけど、なにぶん年寄りだからね。

いつ何が起るかわからない。

これからはこっちからもちょくちょく電話してみよう、とすこ~し思ったのでした。


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