洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

自宅前でホースを使ってジャブジャブ遺体を洗う清め方

またまたちょっとサボってしまいましたね。
元気です。

義父が亡くなってから2週間ちょっとが経ちました。
生活は通常運航に戻ってますが、インドネシアでの葬儀の様子等を記録しておきたいので、もう少しお付き合いください。



金曜日の午後11時、義父が亡くなったと連絡が入ってからは、
それはそれは慌ただしい日々の連続だった。

翌日土曜日、朝3時半に義弟が息子たち(高2・中3)を迎えに来た。
義父の遺体をを実家に運ぶ救急車に同乗させるためだ。
夫はまだ病院で手続き等があって帰ってきていなかった。
あとで聞いた話によると、息子たちは、病院のタンカーから義父の遺体を
救急車に移動させる手伝いや、救急車内で証拠写真を撮られたりしたらしい。
どんな顔をして写真に写ったのか、見てみたい。

私と下の子供たちは、午前4時半に家を出て実家へ向かった。
こんな時間に運転したのは初めてで、まだ真っ暗な道路を走っている車はまばらで、
怖いくらいだった。

実家に到着した午前5時近くには、空も明るくなりかけていた。
救急車はすでに到着したらしく、バテックの布に包まれた義父の遺体が、
特製の台に安置されていた。

遺体は頭まですっぽり覆われていたので、少しホッとした。
自分からその布を取って顔を拝む勇気はなかったので、
客が来て、布をめくった場に一緒に便乗した。

義父の顔は意外な事に、生きていた時より顔艶も良く、
10歳近くも若く見えたのには、びっくりした。
どういう事だろう?
グレーの白髪と口ひげもキレイに整えられており、
こうしてよく見ると、端正な顔立ちだったのだなぁと改めて思った。

まだ早朝だというのに、近所の主婦陣がコメやら砂糖やらを持ってやってきた。
近所の男性たちは、これから墓場までの行進に一緒に行くらしいので、
その辺でタバコを吸ったりしながら待機している。

居間では、義弟の嫁が、生の花びらを糸で繋いで花飾りを作っていた。

インドネシアでは葬儀屋は存在しないので、何から何まで家族や親戚、
近所の人たちがやらなくてはならない。

午前6時近く、一人の男性が実家にやってきた。
いろいろ義妹たちに指示をし、アレとコレを用意してと言っている。
これから、義父の遺体を清める儀式が始まるのだ。

清めた後に身に着ける木綿の白装束の布や綿、
それに塩も用意していた。

義父の遺体は台ごと庭に移された。
回りは幕で覆われ、外からは見えない。
男性の遺体は男性が清め、女性の場合は女性が清めるのだそうだ。

幕の中には、近所の人やら親戚の者が大勢入った。
息子たちも入った。
そして、庭にあった蛇口にホースを繋ぐと、勢いよく水を使って、
遺体の沐浴が始まった。
専門の葬儀屋ではないけれど、やはりそれ専門の人がいるらしく、
いろいろ先頭になってやってくれている。

清めが終わると、真っ白な布で遺体を包む。
この白装束のオバケがインドネシアで有名な、ポチョンだ。
ポチョンは顔の部分が出ているが、実際は頭ごと包むので、顔は見えなかった。


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