洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

知らない人からの手紙はこわい

その子たちが、最初うちにシノンというターメリックジュースを売りに来たのは、
一カ月前くらいの事でした。

「すみませーん!」という声が玄関先でするので、出てみると、
女の子と男の子が二人並んで立っていました。
年の頃は中学生くらいな。

「あの、コレお母さんの手作りのシノンなんですけど、買ってもらえませんか?」
手に持った350mlのペットボトルを再利用した物を差し出しながら、
女の子が言いました。

「いいけど、いくらなの?」
と訊いてみると、一本7000ルピアといいます。
相場的には妥当な金額です。

兄妹でお母さんの作ったシノンを売って歩いているなんて、
感心だなー、偉いなーと思い、2本買ってあげました。

ついでに、
「あなたたち、何年生なの?」と訊いてみると、
男の子は中学を卒業し無職、女の子は小学5年生と言います。
女の子、うちのくわちゃんと同じ年なのに、すごくしっかりしてるな、
というのが第一印象でした。

それから一週間位後、またその兄妹がシノンを売りに来ました。
その時も2本買ってあげました。

「ありがとうございます。あの、ボク、
仕事探しているんですが、何かありませんか?」

と兄が言いました。
何か仕事と言われても・・・・、その子の人柄なり、家族の事も何も知らないし、
紹介できる先もないので、「ちょっとねぇ、ごめんね」というと、
「いいです、いいです、ありがとうございました」と言って帰っていきました。

そして、今日、また兄妹がやってきました。
正直言って、うちでシノンはあまり飲まないので、今日は断ろうと思っていました。
そう伝えると、「あと、一本だけなんです!お願いします!」というので、
ま、いいっか、と最後の一本だと言うシノンを買ってあげました。

そうしたら、
「あの、これ、お母さんからの手紙なんですけど、読んでもらえませんか?」
と言って、紙きれを差し出されました。

え、私、あなたたちのお母さん、知りませんけど。


大体書いてあることは想像できます。
多分、学費かなにかの援助の申し出だと思います。

けど、全然知らない子たちですよ、どこに住んでるのかも、どこの学校に通ってるのかも。学校は訊いてみたのですが、なんだか言いにくそうにゴニョゴニョ口ごもったので、深く追及しなかったのです。

わー、これは、あれだ、困ったなぁ、と思い、私がとっさに口にした言葉は、

「私、インドネシア人じゃないからインドネシア語読めないの、だから手紙は受け取れないわ、ごめんね」

でした。


この子たちの最終目的はコレだったのか。
なんだか、そんなに貧しそうにも見えなかったし、バイクに乗って来てたんだよね。
バイクを買うくらいの余裕のある家って事でしょ。

それに、着ている服もそんなにみすぼらしくなく、体つきだって、体格いいし肌もツヤツヤ。明らかに本当の貧乏人の子供ではないのだよ、彼らは。
本物の貧しい子供たちは、ガラガラに痩せてるし、髪や肌をみれば大体わかります。
目つきとかも。


でもねぇ、そういう事、親がさせてるのかな、
それとも子供が自主的にやってる?

どう考えても、赤の他人に学費の援助だとか、
仕事の紹介をお願いしますと言うのは、
インドネシアといえども、よくあることではありません。
ふつーは親戚を頼るのが筋です。


そんなに私いい人に見えたのかしら!?
いえいえ、人を見る目はあまりないけど、
騙されたりは決してしませんよ。



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