洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

大江 健三郎  最近読んだ本

大江 健三郎さんの「自分の木の下で」という本を読みました。

大江さんが現代の子供たちに向かって、さまざまなことを語られている本です。

やさしく丁寧な語り口調で、こんな感じで生徒に語りかける学校の先生がいたとしたら、

誰もがじーっと耳を澄ましてお話を聞くでしょう。

「自分の木」 というのは、大江さんがおばあさんからきいたお話で、人にはそれぞれ 「自分の木」 ときめられ

ている木が森の中にあるのだそうです。人の魂はその 「自分の木 」の根もとから、谷間におりてきて人間としての体に入る。

そして死ぬときには体がなくなるだけで、魂はその木のところにもどっていくのだ。そして森の中にはいって、たま

たま 「自分の木」 の下に立っていると、年をとってしまった自分に会うことがある、のだと。

大江さんは、もし自分の木の下で、年をとった自分に会ってしまったら

「どうして生きてきたのですか?」とたずねたいとおっしゃってます。

「どのようにして」と「なぜ」という二つの意味にとれる質問ですが、どちらにも回答をいただきたかったそうです。

私だったらどうでしょう。年をとった自分に会えたとしたら

「幸せな人生でしたか?」  と聞いてみたいような・・・みたくないような。



この本の表紙は、奥様が描かれた長男の光さんの子供のころのお顔なんですけど、びっくりしました。

うちの長男とそっくりなんです。しかも名前まで同じ。とても不思議な感じがしました。

光さんは、脳に障害があるのですけど、作曲家としてご活躍されています。素晴らしいです。

今はネットでなんでもできちゃいますものね。すぐネットで光さんの作曲された曲を聴いてみました。