洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

「エイジ」重松 清 著 最近読んだ本

最近読んだ本 重松 清著 「エイジ」

山本周五郎賞 受賞作

ぼくの名前はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。
その夏、町には連続通り魔事件が発生して、犯行は次第にエスカレートし、ついに捕まった犯人は、同級生だった。
その日から何かがわからなくなった。ぼくもいつか「キレて」しまうんだろうか?・・・・・・・・・
家族や友達、好きになった女子への思いに揺れながら成長する少年のリアルな日常。
本紹介より

微妙な年頃の十三歳の少年のお話です。
この小説を読んでいる間、気分はすっかり中学生時代に逆もどりです。
初めてお付き合いした、中学二年の時の同級生の夢までみてしまいました。

私が中学生の時代も今ほどではありませんが、いじめや校内暴力はたしかにありました。
゛バイキン゛とか゛臭い゜とか理由にならない理由で一人の子を無視したり・・・・・。

今思うと悪いことしたな、何やってるかなあの子、などと反省ですが。

エイジという十三歳の少年は、ホームドラマにでてくるような家庭にそだっているごく普通の少年です。
そんな普通の少年の中にも「キレたい」欲求は常に存在していて、ギリギリの線で自分を抑えています。

通り魔で逮捕された同級生や、お調子者の友達、まじめな友達、好きな女の子を通してエイジは大人へと成長していきます。

どんな育児本よりも、十三歳の男子の心理が理解できる本でした。
ほのぼの家族がうっとうしく感じたり、大人に対してのいらつきや不満。

この本のあとがきにもあるのですが、
「中学生時代というのは、子供のおわりであり大人の始まり。
体はどんどん大人に近づくが、精神的にはまだまだ甘えたい。
感性だけが研ぎ澄まされていくんだけども、感じたことを正確な言葉にできない。だから、いらだちが募る。」

ほんとうに微妙な年頃なんだと思います。

この七月からうちの長男次男も中学生生活に突入します。
エイジのお母さんみたいに、サラリと軽くしかし愛情をもって中学生男子を扱える母親になりたいものです。