「複合汚染」 有吉佐和子著 最近読んだ本
有吉佐和子が目撃した30年前の「不都合な真実」毒性物質がもたらす、環境汚染の実態。
工業廃液や合成洗剤で河川は汚濁し、化学肥料と除草剤で土壌は死に、有害物質は食物を通じて人体に蓄積され、生まれてくる子供たちまで蝕まれていく……。
毒性物質の複合がもたらす汚染の実態は、現代科学をもってしても解明できない。
おそるべき環境汚染を食い止めることは出来るのか?
小説家の直感と広汎な調査により、自然と生命の危機を訴え、世間を震撼させた衝撃の問題作!(本の紹介より)
有吉佐和子さんは昭和59年に53歳でお亡くなりになっています。
35年も前に著者自身が調査し書き上げたこの本、読み終わるとうっすらとしか認識していなかった環境汚染の実態が、これでもか!と目の前にたたきつけられたような気がします。
複合汚染とは、毒性物質の相乗作用により単独では起こりえなかったいろいろな障害が、人体や家畜や地球全体に起こっているということ・・・・。
しかも、著者は35年前にこの事実をもって
『日本の将来を心配しないではいられません』と嘆いていらっしゃいます。
35年後の現在、日本の複合汚染は改善されてきているのでしょうか。
野菜の有機栽培やエコへの取り組みで、消費者の意識が以前のように漠然と受け入れるだけのものからは、進歩してきているのだと思います。
便利さ優先で、洗剤やシャンプーをばかばか使って川へ流している私ですが、これを改善し食品もすべてオーガニックにし自給自足の生活をするなんてできるわけがありません。
出来ることといえば、同じ食品を繰り返し食べない。
あきらかに食品添加物いっぱいの食品は食べない。
洗剤は少なく使う。
こんなものでしょうか・・・。
インドネシアで買う、形のふぞろいな小さなにんじんや、虫食いのキャベツや、冷蔵庫にいれてもすぐに腐ってしまう肉類は、ある意味安全なのかもしれませんね。