インドネシアのマジック(呪い)
「家の上の方で、突然 ボンッ というすごい音がするんだ」
マジックをかけられた人たちはみんなこう言います。
マジックとは、インドネシアではまだまだ日常茶飯の呪いの儀式。
他人の人生をマジックでコントロールしようとする、ちょっといただけない習慣です。
マジックの専門の先生がいて、普通のおばさんだったりお爺さんだったりしますが、たいていおうちでご商売なさってます。
夫婦のどちらかがとても容姿端麗で、お相手がふつう以下の容姿の場合
「あー、あいつマジックにやられたな」
失礼ですよね。容姿じゃなく、心とか他のいいところに惚れただけじゃないですか。
新規に商売を始める場合も、必ずマジックの先生の所へいってお伺いをたてます。
商売敵がいる場合は、適に 邪悪なもの を送りつけ 商売がうまくいかないように仕向けます。
気にくわない人間がいると、その人が 病気になるように これもまた邪悪なものを送りつけます。
呪いのわら人形みたいですね。
インドネシア人はほとんどの人がこのマジックを信じています。
私は全く信じていません。そんな非科学的な事、信じられるわけありません。
マジックとは別なのかもしれませんが、薬や手術なしで病気を治してくれる 先生もいます。
こういう人たちは、お祈りを唱えたただの水とか、患部をマッサージするだけで病気を治してしまいます。・・・・・という話です。私は信じていないので。
ただ過去に一度だけ、マジックの先生の所へ行ったことがあります。
私は一緒にいきませんでしたが、子供が医師にも見放される病気に陥った時です。
途方に暮れる私たち家族に、親戚の誰かが勧めてくれたのです。
その先生は病気の症状をみて
「これは、治ります。ただし、ご両親二人が100%完全に治ると信じていただけなければなりません。」とおっしゃいました。
その言葉も考えかたによっては治らなかった時の、保険のようなセリフですよね。
「あなたたちが100%信じなかったから、治らなかったのですよ。」という。
結局日本で治療することになりましたが、その話はまたこんど。