洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

『手紙』 東野圭吾著

『手紙』  東野圭吾著 感想


強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く……。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。


「本紹介より」

話題作ということで、とっても楽しみにしながら読んだのだが・・・・・・はっきり言って、私にとってはあまり共感できない内容だった。
強盗殺人の罪で服役中の兄弟を持つなんてあり得なくはないけど現実からはほど遠いし、それよりは強盗殺人の罪で服役中の兄弟を持つ人間を差別し、近ずかないよう離れていく人間になる確率の方が高いと思った。
実際に差別するかどうかは、別として。
過去に強盗殺人の罪で服役した本人なら差別され世間から冷たい仕打ちを受けても当然だと思うが、その兄弟までもがこんな理不尽な扱いを受けるのが現実なのか!?
アルバイトをくびになり、彼女の親からつきあいを反対され、歌手デビューの道もとざされる。
読んでいて完全に先が見えてしまうストーリーに、いつもの東野作品らしくないなぁと思ってしまった。
ひょっとして、由実子が剛志の昔の恋人だったとか、殺された老婦人は実は先に身内に毒を盛られていたなど、いつもの東野サスペンスどんでん返しを期待していたのだか、フェイドアウトするように静かに終わってしまった。
一般のメジャーでない歌手がこうも簡単に刑務所慰問が行えるとも思えないのだが。