洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

『ワイルド・スワン』『夜のピクニック』『ルームメイト』

最近読んだ本、まとめて感想です。

ユン・チアン著 ワイルド・スワン

三冊からなるノンフィクションの大作でしたが、作者の家族は毛沢東が独裁する中国共産党の下、それはそれは大変な苦労を背負い生きていかれました。
お婆ちゃんは将軍の妾として父親に売られ(売られたも同然でしょうね)、女としては最低の地位で屈辱され続ける。後半夏先生との再婚で幸せになりつつありながらも、昔妾だったという事実がいつもつきまとう。
作者と作者の母親のよき理解者、優しいおばあちゃんだったのでしょうね。これは女の地獄編。
そして、作者の母親は結婚相手の父親と共に、こっちは共産党員の地獄編。
中国の映画のシーンは残虐な場面が多いなぁと中国映画をみるたび思っていたのですが、その残虐シーンをまともに体験する作者の両親。すごいなぁ。こんな国に生まれなくて良かったナァ。というのが本音ですね。
なんというか、全国民が巨大な新興宗教の信者みたいです。
想像を絶する拷問・仲間内の騙しあい、作者のお父さんが頭がヘンになってしまうの、あたりまえですよ。
やっと第三部で作者自身のお話でしたが、お婆ちゃんや両親が体験してきたことに比べたら、山村で重労働をさせられたくらいたいしたことないじゃないですか、と思ってしまいました。最後は高級共産党幹部に復活したお母さんのコネを使い、イギリスへ留学。実際成績優秀で英語の才能があったとしても、なにも正直にコネコネとかかなくてもと
思いましたが。どこの世界もコネがものをいうのですね。
こんな正直に中国内部を告発(?)した小説は初めてだそうです。
中国という国がどういう国か、少しだけわかったような気がしました。

恩田 陸著 夜のピクニック

こちらはうって変わって、ばりばりの青春小説。
高校生最後の最大イベント『80キロの歩行祭』。
家庭の事情でちょっと複雑な関係のクラスメートの二人が、歩行祭の最後にはわだかまりをすべて汗と一緒にふっきり・・・・という、ただひたすら歩く日中夜のおはなしです。
もぅ会話のひとつひとつが高校生していて、昔を懐かしくおもいだした一冊でした。
女の子同士、親友、男女混合のグループ、嫌な女子。
ぜーんぶ誰もが経験してきた高校生生活がぎっしりという感じです。
戻りたいな~青春!!


今邑 彩著 ルームメイト

多重人格が絡んでくる殺人事件。
最後はどんでん返しで、えぇ~!?って感じでしたが、
あり得ない展開で、やっぱり小説~と思ってしまいました。
推理小説は好きですが、これはなんだかちょっと幼稚でした。