洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

インドネシアで乳がんって、それは辛いだろうな


今日髪を切りにいつものサロンへいくと、
イェニさんがいなかった。

いつもイェニさんに切ってもらているので、
オーナーに訊いてみた。

「今日イェニさん休みですか?」
オーナーはちょっと複雑な顔をして
「イェニね、病気でお休みなの」と説明してくれた。

少し待って私の番になった時、
そのオーナーが髪を切ってくれた。

そして私の耳元で小声で言った。
「イェニね、乳がんなの、明日手術なのよ」

え・・・・・。

最後に会ったのは4か月くらい前だっただだろうか。
小柄で少しポッチャリ体型のイェニさんは、
具合が悪そうには見えなかった。

彼女の正確な年齢は知らないが、多分30代後半で、
19歳を筆頭に三人の娘さんがいる。
ご主人もいるはずだが、生活に余裕がないのは、
話をしていて感じられた。

「両方の乳房に腫瘍があってね、一つは完全にガンで、
もう一つはまだ悪化はしていないんだって」

私に秘密を打ち明けたからか、訊いてもいないのにオーナーは
イェニさんの状態を喋り出した。

「もっと早くに病院に行けばよかったのに、
仕事休みたくないから無理して行かなかったみたいでね」

と眉をしかめるオーナー。

そのサロンでの給料はいくらかと前にイェニさんに
訊いたことがある。
たった、1、000,000ルピア。
日本円で一万円ほど。

インドネシアの国が決めた最低賃金はうちの地域で
3,500,000ルピア程度だというのに、
そんな低賃金で働いているなんて、と驚いた記憶がある。

そこからバイクのガソリン代や昼食代を引いたら、
手元に残るのは500,000ルピアがいいとこだろう。
担当したお客さんからチップを貰えるのかもしれないが、
それを合わせたって最低賃金には程遠い。

生活や仕事のストレスもあって、
ガンになってしまったのかもしれない。

幸い今、インドネシアは国民健康保険が適用できることになって、
手術も無料で受けられる。
これが5年くらい前だったら、医療費は全額自己負担だったので、
貧しい人は病気になっても満足いく治療を受けられないのが実情だった。

イェニさんの心情を思うとこちらまで胸がいたくなるが、
義父も入院していた市の病院に入院しているらしいので、
明後日でも行ってみようと思う。

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