洗濯と読書の日々

インドネシア在住50代主婦 7人家族 猫6匹

最愛の奥さんが帰ったあと、急に逝ってしまった義父

女医から危篤と告げられた金曜日、
船乗りの義弟も急きょ駆け付け、これで義父の子供たちは全員が揃った。
しかし、肝心の義父の奥さんはまだ病院に来ていなかった。

夫の実母は私たちが結婚する前に亡くなっていて、
義父は15年前に今の奥さんと再婚した。
結婚当初から別居婚で、月のうち数日を一緒に過ごすという気楽な生活を送っていた。
それが2年前から、奥さんと完全同居するようになったのだが、
何かにつけて奥さんは自分の子供の家へ行ってしまい、そのたびに義父も、
うちや義妹の家に泊まっていた。

今年に入ってからは、奥さんの末娘が出産したので、
奥さんはその手伝いに行くからと、
義父夫婦は長期の別居生活を送っていた。
それでも義父はいつも奥さんの事を気にしていて、また同居生活を送れることを心待ちにしていたのだ。

その奥さんには、義父が倒れてすぐに連絡した。
それなのに、どういうわけか、奥さんが病院に来たのは、
義父が倒れてから2日後の、金曜日午後9時半という、非常に遅い時刻だった。

この時すでに義父は意識はなく、
奥さんが呼びかけても、反応を示さなかったという。
私は家に居たのだが、午後10時半過ぎ、夫の車のエンジンの音がしたので外に出て、奥さんが来たことを聞いた。
そして、夫が車庫に鍵を掛けようとしたとき、
携帯に病院にいる義弟から電話があった。

「父さんが危なくなったから、今すぐ来て!」

夫が病院を出るときは、義父の容態は変わりなかったそうだ。
夫と一緒に奥さんも病院を後にしたのだそうだが、
それと同時に、義父のモニターの数字がみるみる下降していったという。

そして、わずか10分後、夫が病院に着いた時には、
もう義父は旅立ってしまっていたそうだ。

義父、奥さんが来てくれたので、
これでもう思い残すことはないと安心したのだろう。

奥さんも温かい義父の手を握ってあげられて良かったと思う。


義父が病院に入ってから、わずか50時間後の出来事だった。

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