危ないガスボンベ
これは世にも危険なガスボンベです。
二年くらい前、『国民はガスコンロを使いましょう』 というキャンペーンで
政府が無料で国民に大量配布しました。
小柄で(3キロタイプ)色も黄緑、一見可愛らしいのですが、
容器の厚みが薄い・ホースの取り付け口がしっかりしていない等の理由で
爆発事故が相次いで起きています。
こんな小さくても家の半分くらいはぶっ飛ぶ威力はあるらしく、犠牲者もかなりでています。
しかしそれまで一般家庭で主流だった、12㌔入りのガスボンベに比べると、価格が安いため
いちいち取り替える手間は面倒ですが、この3㌔タイプを使う家庭がかなり多くあります。
私の家でも12㌔タイプと3㌔タイプ交互に使っていました。
ある日、ガスが切れたので、買い置きしておいた3㌔タイプのガスボンベに交換しようとした時のことです。
ガスボンベのプラスチックの白いふたを取り、コンロから直結している器具付ホースを取り付けるのですが、
いつもなら、すんなりはまる器具がカタカタしてうまくはまりません。
何度か取ったりつけたりしているうちに突然ガスボンベから
しゅゅゅゅゅゅゅっっっっっっっーーーーー!!!!!
と ものすごい勢い でガスが噴出しました!!ちなみにガスボンベは台所脇に置いて使います。
ガスの勢いは蒸気機関車または圧力鍋から出る煙のように感じ、白くてあたりまえですがガス臭いです。
私はもう気が動転してパニックになりました。
ガスですよ、ガス!!爆発する!!どうするぅ!!!
いきなり素手で噴出口を押さえてみようとしましたが、あまりの勢いの強さに手も受け付けません。
じゃぁ、ぞうきんを使ってと、やってみましたがこれもダメ。
相当の圧力で噴出が続きます。
いつ爆発するかと 心臓もバクバク です。
そこへ騒ぎに気づいたお義父さんが出てきて、
お義父さんも私と同じように素手でガスを止めようとしましたが無理です。
あ~も~こんなことをしいるうちに大爆発が起きて二人とも即死じゃぁ~~~!!!
と不吉なことを考えていると、いきなりお義父さんがガスボンベを持って走りだしました。
まだなおガスは勢いよく吹き出たままです。
一目散に外へ出て、家の前の空き地へガスボンベを置き、また走って戻ってきました。
お義父さんの顔も蒼白で肩で息をしています。
「ハァ~ハァ~・・・・・・。なんでこんなことになったの!?」
とお義父さんは私を責めましたが、私だってよくわかりません。
欠陥ガスボンベだったのでしょう。
しかし爆発しないでよかったぁ。
お義父さんのとっさの判断に感謝です。
そうこうしているうちに、噴出するガスの勢いも衰え、シュルシュルシュル~~~といって、
やがて噴出は止まりました。
こんな恐ろしい思いをしたのは、生まれてはじめてでした。
あれ以来3㌔ガスボンベは二度と使っていません。